ELDドラフト雑感

ELDドラフトを発売前にそこそこ考察してたのでそれを実際やってみた感じと照らし合わせたのを書き出してみる。なお自分はドラフトに関して熟練であるとは言いがたいので一個人の感想として見てほしい。(ブログの存在を知られているかすら怪しいのに見る人がいるのかは疑問だが一応)

(注、まだ全部の色、アーキタイプを触ったわけではないのでやったことある色と対戦して強かった動きを書く。また、MtGアリーナのドラフトの話なのでMOやリアルではまた違うだろう)

https://mtg-jp.com/products/card-gallery/0000184/

発売前の考察時点の色の強さ予想 

白>緑>赤≧黒>青

緑はひたすら肉質が良く、3/2や2/3が多い環境の中でコモンに回避能力持ちの4/4や5/5が存在しているため殴り合いで強く、食物を生み出すカードも多いので序盤をしのぎやすいという印象を受けた。

白は緑に次ぐ肉質の良さで飛行や出来事バットリで戦闘をコントロールしやすいとみての評価。純粋な飛行で最大のサイズが白にいる。(5マナ3/4)

赤は黒に次ぐ除去の多さでクリーチャーもパワーが高め。しかしタフネスは軒並み1か2なのでいかに回避能力を付けるか、タフネスをあげるかが重要になる。タッチカラーとして優秀そう。

黒は抜群の除去の多さが魅力だが、クリーチャーのサイズがとても小さく感じた。これも除去目当てのタッチカラーがメインになると思った。

青はドローソースが多いがクリーチャーのサイズが一番悪い色に見えた。タフネスの高いのは多めなので青単でLO組めるとは考えた。ドローのためにコントロールがタッチするかも。

ゲーム展開の予想

除去がかなり多く、また食物のせいでロングゲームになりやすいため、アグロはかなりきつそうに感じた。除去と肉質の緑黒、バットリで攪乱する緑白あたりが強いと予想した。エンチャント破壊やアーティファクト破壊はメインにいれてもいい環境。

 

プレイした後の色の強さの感想

緑≧黒>赤>青≧白

まず先にこの環境は単色寄りに組むのが強いことを説明しよう。理由は一徹と混成4マナのアンコモンサイクルが存在すること、2色土地が存在しないこと、そして各色コモンの土地サイクルの存在である。単色でも十分パワーのあるデッキが組みやすいため、均等2色による土地事故を減らすことができて安定しやすいというメリットがあるのでアグロなら特に単色にすべきだろう。

 

白についてだが予想とは真逆の評価となった。冷静に白のカードを見直してみるとアンプレイアブル寄りのカードがレアリティを問わず多くボムレアも少ないので、やりに行く要素が卓ですいてたらやるくらいの色でしかなく仮にそうだったとしてもかなりうまく組む必要がありそう。一番の問題はアーキタイプがはっきりしてないorわかっててもシナジーを形成するカードが少ないところだろう。青白の置物推しも置物そのものこそ多いがそれを参照するカードが《羽ばたき狐》と《きらきらするすべて》しかなく、赤白や白黒の騎士参照カードもレアを除くと《輝く鎧》と《尊い騎士》しかない。幸い白緑に関しては出来事持ちカードは豊富でそもそも緑が単純に強いため、白単寄りに組むことになるなら緑を入れるのがよさそうだ。そこらへんがわかってきたらもっとマシになるのかもしれない。

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これらが多く取れたなら白をやってもいいだろうというパワーは一応ある。

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対してこちらは集めても騎士に寄せるかは微妙。騎士をやってる時に取れたらうれしくはある。

 

次に青についてだが、こちらはほぼ評価通りだったと思う。LOについてはしっかり組めば半端なアグロやコントロールには強いが、うまく引きが噛み合わないと何もできずに負ける印象がある。不快感や理不尽感が強いため不満がある人が多いだけだとは思う。《無礼の罰》に関してはもう少しAIの評価が高くてもいいような気はするが。1パック目の回ってくると思わないような中身で1周してきたときはさすがにびっくりした。予想外だったのは白の飛行で止まると思って評価低めだった1/1飛行が普通に通ることだった。白の飛行のAIの点数が高いせいなのかそもそも白が弱くて少ないせいなのかは知らない。また、比較的遅い環境でドローも多くて土地が伸びやすいので6マナの《月明かりの掃除屋》がかなりプレイアブルなことも予想に反していた。青赤はレアやアンコの強いところを取れるとかなりキレイに回る印象があるが、流行りのLOに対してはキーパーツを引けていないと逆に相手のキルターンが早まってしまうためメタ的には逆風だろう。(リアルでのドラフトではLOばかりということはないだろうからここはかなり違うだろう。)青緑については緑寄りになることが多そうなので割愛。

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LOのキーパーツ。これが何枚取れてるかでデッキの完成度が大きく違うだろう。

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テンポを取りつつ4/5という攻守に長けたナイスコモン。エンチャント除去を合わせて多く取りたい。

 

 

黒は肉質が悪いというのは大ウソだった。余裕で4マナ4/3威迫とか出るしアンプレイアブルなカードが少ないしなによりもボムレアが多い。アンコにすら《厳格な者、コンラッド卿》をはじめとしたボムレベルの優良カードが大量にある。なんなら《夜の死神》すらフィニッシャーになる。多少シンボルがきつかったりするがほかの色とも組み合わせやすい。強すぎて特に書くことが思いつかない。

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ダメージレースを崩壊させる神話アンコたち。戦闘が一気に難しくなり時間的アドバンテージも取れるやばいやつ。

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4マナとはいえフィニッシャー付きの《精神腐敗》はさすがに強い。環境が遅いのも追い風。

 

 

赤は予想よりは殴れる印象。環境で最も速い色だろう。ただ2マナの能動的なアクションは乏しいのでそこを意識して組む必要がありそう。赤をやると決めたらすぐに《七人の小人》を集めるのが良いのかもしれない。最低でも熊だし2体だけ並べば十分なパワーがあるので見た目より強そう。おそらく安い《馬上槍の練習台》は実は集め得な可能性はある。また、この環境のアグロのキーパーツは装備品だと思っていて、理由はタフネスが低いクリーチャーが多いためにミッドレンジやコントロールの適当なクリーチャーと相打ちを取られたくないため、また赤に関しては《怒り狂うレッドキャップ》が安く主要なアタッカーになるため、継続的にパンプできる装備品は速やかにゲームを終わらせるために重要だからである。壁を壊すだけなら出来事バットリのような一時的なものでもよいが、前述のとおり食物の存在により20点だけ削って勝てるというゲームは少ないため、テンポ負けしないように高いクロックを維持するために装備品のほうが優れていると考えている。特におすすめなのが《鋼爪の槍》でこれのためだけでも黒をタッチする価値はある。赤か黒ベースのアグロでしか使わないので後半でも回ってきやすいはず。リアルだとカットの概念があるかもしれない。ほかの多色は赤緑は人間でないことに重きを置いたアグロだが、《僻境の暴虐》はまだ使ったことも使われたこともないが注目していて、打点強化、回避能力付与、そしてこの環境では貴重な全体強化なので人間少なめのアグロでは1枚はほしいカードかもしれない。(これを書いていて白の騎士トークンが人間でないことに気付いた。)《狂ったネズミ飼い》を採用した赤青においても輝くかもしれない。

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赤アグロの(たぶん)メインアタッカー。うまく使えばマナコスト以上の打点を出してくれるだろう。

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赤アグロのお供。少なくとも装備品は使って強かった。

 

 

最後に緑。これも予想通りの強さだった。4/4や5/5が強いのは言うに及ばず、しかし影の立役者は《薔薇棘の見習い》だ。出してすぐ2/3の壁として働き、色事故を防ぎながら次の5マナのアクションや2マナ+3マナの動きでテンポを取りに行ったり、1ターン飛ばして6マナの強いアクションにつなげたりでミッドレンジを高い次元に昇華させている1枚である。6マナにはコモン最大級のサイズを誇る《チューインベイルのツリーフォーク》や占術2が頼もしい《頂の預言者》ががっちりと盤面を固めながらゲームを優位に動かしてくれるだろう。レアもボムが多いしアンコモンも黒ほどではないかもしれないがかなり優良なものが揃っている。多色についても《薔薇棘の見習い》が活躍するだろう。緑絡みの多色アンコモンは粒ぞろいで、どれもはっきりと組むべきアーキタイプを示してくれているのでシナジーを意識しやすいのもうれしい。

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頼もしい1枚と思うのだが、なぜかAIの評価はそんなに高くないらしく1回のドラフトで4枚取れたときはさすがに笑った。

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ミッドレンジ~ランプにはぜひ数枚確保したいカードたち。これも終盤にも流れてきやすいので焦らなくていいのも高評価。

 

環境の感想

アグロは予想よりはやれると感じたが、それでもゲームは長引きやすく、赤絡みでないとアグロはやりにくそうに感じた。ミッドレンジにしても盤面は比較的膠着しやすく、いかにうまく攻撃を通すように除去するかがカギとなる。飛行は少なめに感じたので到達をケアできるようにしつつ飛行を取りたい。置物破壊はメインに入れたいが1枚でいい。カードが足りなかったら2枚でもよさそう。

 

実際に使って強かったり使われていいなと思ったカードやコンボ

先程白単は厳しいと言ったが、しかし出来事クリーチャーはうまく使えばアド損せずに爆発力を出せるというのを実際に見た。キーカードはずばりこれ。

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まあそらそうって感じだが、これを活かすために出来事をたくさん取るというよりはどちらかといえば白単は出来事を強く使わないと勝てない、と感じたからである。その最たる原因がこれ。

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こいつがべらぼうに安くて集めやすいのだが、単品だといかんせん弱い。いくら環境が遅いとはいえ3マナで2/2出してどうにかなる環境ではない。また、本体も5マナ3/3と貧弱なボディである。しかし、ここに《幸運のクローバー》を加えるとどうなるか。3マナで2/2が2体。そう、《ベナリア史》である。(《ベナリア史》ではない。)冗談はさておいてもこれはさすがに強い。3/3が1枚で止まる上にアドを取れて、4/4と交換しても問題ない。これで盤面を固めてその隙に飛行で殴り勝つのが理想。だが環境には除去もバットリも豊富なのでそう簡単にはうまくいかないことも少なくない。しかしここでもう1枚のキーカードを紹介しよう。これだ。

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これは白単でなくても白絡みのアグロなら2枚くらい確保したいカードだと考える。これを引かないとタフネス4の壁を越えられなかったり緑相手に単純にサイズ負けして押し切られることが多いのである。ただこれも安いので気にしなくても取れるだろう。同様に《のどかな農場》も手軽にサイズをあげてくれるのでぜひ集めたい。

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青も白と同様に出来事が軸になりうるのだが、青の出来事の使い方は《幸運のクローバー》よりもこちらの方が揃えやすく使いやすいだろう。

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これで《マーフォークの秘守り》や《圧倒される弟子》を使いまわすのがLOの主な勝ち手段である。LOでなくても《秘本の略奪者》などcip能力を持っているカードの価値が上がるのでぜひ使いたい。ただこのカード自体はカードアドバンテージを失っているのでそこはうまく工夫しないといけない難しいカードでもある。

 

黒は《大釜の使い魔》と《魔女のかまど》のコンボがゲームを決めるほどに強く有名だろう。

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《大釜の使い魔》は《巨人の串》ともシナジーし、無限にブロッカーになってくれる。

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《魔女のかまど》はアンコモンのため、同じくアンコモンの《大釜の使い魔》を揃えるのは少し厳しいが、こちらはコモンなので《大釜の使い魔》さえ取れればコンボを揃えやすい。AIの点数も低めなのも揃えやすい一因となっている。

 

 

もうちょっといろいろあるような気がするけど疲れたのとまだ経験が浅くて思いつかないのでここまで。

数年ぶりにこんな長い文章書いてビビる。